ハワイは東西の十字路に位置し、移民の波が訪れるたびに種子をひそませてきた。
これらの種から生えた木、たとえばヒマラヤ・ベリーやバナナ・ポークはハワイ島を占拠し、在来種を根絶やしにし、動物たちを中毒させた。
ハワイは外来種の首都である。
イギリスの生態学者チャールズ・エルトンは『侵略の生態学』で、ハワイを「種と種の取引所であり市場であり、世界各地の大陸や島からやってきたさまざまな種がひしめき合い、混ざり合っている」と説明している。
ハワイへ植物の種子を持ちこんだのは人間だけではなく、種子の1.4%は気流に乗って空からやってきた。
生物学者のシャーウィン・カールキストによると、ほとんどの種子と果実は鳥の消化器官にひそんで、あるいは羽や脚に付着してやってくる。残りは海流にのって流れつく。
ハワイは今日、野生化した外来種の果実であふれている。
しかし、ほとんどの住人は裏庭に何が生えているかも知らず、産業界の流通網を通した二流の果物で満足し、周囲のいたるところに生えている新鮮な果物には見向きもしない。
地元でとれるウルトラ・エキゾチックがあることを知らないのだ。
ミラクルフルーツという小指の先ほどの細長いベリーを噛んでみると、さわやかな果汁が舌に広がる。
種を吐き出して、ライムを食べてみるとびっくりするほど甘い。
生化学の気まぐれか何かで、この赤いベリーは味覚に不思議な作用を及ぼし、酸味のある食べ物をすべて甘く感じさせるのだ。
その果汁が味蕾をおよそ1時間のあいだおおって、酸味のある食品に対する知覚を変えてしまう。
ミラクルフルーツを食べたあとでは、ピクルスがハチミツのように甘く感じ、ボローニヤソーセージとカラシをはさんだサンドイッチがケーキのような味になる。
酢はクリームソーダに変わる。ミラクルフルーツは天然の甘味料だ。
ぼくたちが食べるスーパーマーケットの果物にはタンパク質・炭水化物・コレステロール・ナトリウム、それに脂肪もごく微量しか含まれていない。
しかし、果物がずば抜けているのは、ビタミンとミネラルが豊富なところだ。
植物、そしてすべての果実にはさまざまなファイトケミカルが含まれており、それは人間の健康維持になくてはならぬものだ。
栄養素を摂取する一番よい方法は、日ごろから虹の色をした果実を食べることである。
淡い紅色の―スイカ、ピンク・グレープフルーツ、カラカラオレンジ―にはリコピンが含まれ、抗酸化作用により活性酸素の害を中和する。
赤色や紫色―ルーベリー、サクランボ、リンゴの果皮、ブラッドオレンジ、ザクロ―はアントシアニンの指標になる。アントシア二ンはフラボノイドのひとつでガン細胞を破壊することが実験で確認された。
オレンジ色の果物―パパイア、マンゴー、モモ―にはカロチノイドが含まれ、心臓病を予防し、筋肉の老化を抑制する働きがある。
黄色と緑色の果物―アボカド、黄緑色のブドウ、エンドウ―はルテインやゼアキサンチンが含まれている証拠で、人間の目の健康に欠かせない。
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- 2010/03/03(水) 08:00:52|
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